こころ感じる聚楽の旅 ことのはvol.22
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9旅館聚楽支配人:関野今日中に必ず行くから力を落とさず皆を激励してやってくれ」責任者を責めず、愚痴をも言わず、そして何億にも相当する資産が焼失したにも関わらず、冷静に落ち着き払って事後処理にあたったのだ。「ああそうか、火元はうちではあるまいね」「お客様は無事であったか、避難させたか」「店員一同に変わりはないか」「重要書類は出したか」「ああ、それは良かった。焼けたものは仕方がない。「違います、絶対にうちではありません」「お客様全員支障ございませんッ!」「一同全員、異常ございませんッ!」「大部分出しました」※再建されることは無かった。1934(昭和9)年 新館を増築し開業した熱海の名門「旅館聚楽」1944(昭和19)年3月6日 「旅館聚楽」全焼支配人から急報の電話を受けた加藤清二郎の悲劇】

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