こころ感じる聚楽の旅 ことのはvol.21
7/12

売れませんように7● 戦いをしようと肚はらを決めた時、すでにその戦いは勝っていなければならない。つまり新しく事業を起こす場合はすでにその事業が成功していなければならない。それには準備がいる。計算、調査、研究の万全が期されなければならない。(1939年発刊「成功者に学ぶ」より)1930(昭和5)年創業者加藤清二郎は新宿進出を考えていた。きっと将来は銀座をしのぐであろうこの大商店街へ進出するには数十万円の資金が必要だ。その力は現在はないが調査だけは行っておこう。駅前にある空地。ここを買った場合 ・ どの程度の見込みがあるか ・ 付近の状況はどうか ・ 坪数、位置はどうか ・ 建物の設計をどうするか ・ 方針はどうするか これらを全て調べ上げ、効果があるプランを立てた。これが【勝って(という前提)のち戦う】である。そこで、 その土地を当分見張ることにした。もし、買い手が付きそうであれば、その時は借金をしてでも買おう。途中4・5回ハラハラさせられたこともあったが買い手はつかなかった。お金の工面ができるまで3年半、ついに購入することが出来たのである。 確信を得ることはできたが・・・どうにも金が無い。無理をすればできないこともないがあまり無理はしたくない。● 1933(昭和8)年 10月22日 地鎮祭が執り行われた。【勝ってのち戦う】

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る