こころ感じる聚楽の旅 ことのはvol.21
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44 1924(大正13)年3月10日15時、須田町食堂開業日は6時間の営業で78円68銭、2日目から営業時間は11時~23時となり売り上げは130円、3日目は230円、連日の盛況ぶりは東京中に広まっていった。 確かに店は大繁盛した。しかし、それと同時に問題も山積みとなっていき、借金の返済、繁盛がゆえの什器備品の補充、設備の改修に、奔走した。るとすべてが遅れる● 来年末には千五百円あるいは二千円を誓って送る手紙の日付は1924(大正13)年9月17日 須田町食堂開業から半年後のことである。自身も苦しいが実家のことも思いやりながら、1号店開業からわずか8か月後の1924(大正13)年11月20日「須田町食堂京橋営業所」を開店する。実家からの借金返済要求に対して創業者が返信した手紙がある。● 全額は返せないから三百円だけ送金する● 本郷バーと競争していて利益は案外少ない● 家業が苦しいのも承知しているがこちらも苦しい(大正13年9月現在283円不足)● 店を増やす計画を立てている時に送金を迫られ【須田町食堂チェーン展開】

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