33ノートの中盤から記されているのが「奮起勇進、新興第一年の年頭の覚悟」。(前号8P頁に冒頭記載)● 己は何と云ふ幸運児であったろう。まず第一に震災当時サガレンに在った為、命に別状なきを得た。第二に事業経営に必要な知識経験と云ふ無形の資本を浅せん薄ぱく乍ながら備えてあった。● 本年1ヶ年間は脇目もふらず熱心におのれの全精神を事業に傾注し、最善を尽くして最良の成績と出来る限りの収入を上げ、あらゆる節約そして専ら物質的基礎を固むる事に努めねばならん。(一部抜粋)自身の運の強さを認識し、その幸運を逃さず最善の奮闘努力をし成功者の一人となる、相当な覚悟と決意と具体案をもって「須田町食堂」を開店するのである。
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